産業用イーサネットスイッチとは?選び方&おすすめ商品紹介!

「イーサネット」とは、オフィスや自宅などでネットワークを利用するときに用いられる通信規格のことです。50年ほど前から存在する技術ですが、普段の生活ではあまり馴染みのない言葉だという人も多いのではないでしょうか。私たちが日頃スマートフォンなどでよく使うWi-Fiは、ケーブルなどを使用せずネットワークに接続するため「無線LAN」とも呼ばれます。一方でイーサネットは、ケーブルを使ってパソコン等の機器をつないでネットワークを形成するため「有線LAN」と呼ばれることもあります。パソコン等複数の機器を接続する際に使う装置を「イーサネットスイッチ」と言います。イーサネットスイッチには一般用と産業用がありますが、産業用は一般用に比べて機能や性能が優れています。本記事では、産業用イーサネットスイッチについての概要と、種類や選び方について詳しく解説していきます。

産業用イーサネットスイッチってどんなもの?

イーサネットスイッチ

パソコン等複数の機器をつないでネットワークを形成するという点において、一般用と産業用のイーサネットスイッチに本質的な違いはありません。しかし産業用に作られたイーサネットスイッチは、機能や性能が一般用よりも優れています。具体的には、次のような点において一般用よりも高性能なものになっています。

● リアルタイム通信性

● セキュリティ面

● ネットワークの安全性

また一般用は基本的に単一電源になるのに対して、産業用だと二電源バックアップに対応しているものが多いことも特徴です。

産業用イーサネットスイッチは何種類ある?

産業用イーサネットスイッチは、「アンマネージドスイッチ」と「マネージドスイッチ」の2種類に分けられます。それぞれ性能や向いている環境などが違うので、使いたい場面や場所に合わせて選ぶと良いでしょう。

種類1 アンマネージド スイッチ

アンマネージドスイッチは、複雑な設定や管理を必要としないイーサネットスイッチです。セキュリティや監視が不要で「ただ単に機器同士が接続されていればいい」という場合に使われます。次に紹介するマネージドスイッチに比べて安価なため、製造業の現場などで多く採用されています。また、一時的にネットワークを拡大するときなどもアンマネージドスイッチを使うことが多いです。

種類2 マネージド スイッチ

マネージドスイッチは、アンマネージドスイッチに比べて高度な設定や監視が可能になります。ネットワークの管理、保守、セキュリティ強化などの点においてアンマネージドスイッチよりも優れている為、高度な制御が必要な産業分野や、セキュリティを強化したい場面ではマネージドスイッチが選ばれることが多いです。例えば大規模なデータセンターや都市部の交通管理システム、鉄道会社などインフラ系企業です。これらのシステムは高度な制御やセキュリティを必要とするため、多くの場合マネージドスイッチが採用されています。

産業用イーサネットスイッチの選び方

イーサネットスイッチ

続いて、産業用イーサネットスイッチの選び方について、5つの観点から解説していきます。

安全性は担保されているか。社内のデータベースシステムやインフラシステムなどに使用するイーサネットスイッチであれば、何よりもまずセキュリティ面での安全性を重視するべきです。保守やセキュリティの不十分なものを選んでしまうと、情報の流出といった大きなトラブルにもなりかねません。産業用イーサネットスイッチは大きく分けてアンマネージドスイッチとマネージドスイッチの2種類があると述べましたが、安全性を重視するならマネージドスイッチがおすすめです。

使用条件を満たしているか

必要なポート数を満たしているかといった条件も、イーサネットスイッチを選ぶ上では大切です。産業用イーサネットスイッチは、5~10個の複数ポートを備えたものがほとんどですが、必要なポート数に対してすこし余裕を持たせておくことをおすすめします。後々拡張することになってポート数が足りなくなると、複数のイーサネットスイッチをつなぎ合わせることになってしまいます。無計画にどんどん拡張してしまうとトラブルの危険性も上がるため、あらかじめポート数に余裕のあるものを選んでおくと良いでしょう。

環境は適切か

特殊な環境でイーサネットスイッチを動作させる場合は、その環境に耐性のあるものを選ぶことが大切です。例えば、空調設備のない氷点下や高温環境で動作させる場合には耐熱仕様のものが必要になります。静かな場所で動かすなら、静音環境対応のものが良いでしょう。

性能は良いか

用途によって異なりますが、大容量のデータや重いファイルデータの転送に使用するのであれば高性能なイーサネットスイッチを選ぶのが良いでしょう。イーサネットスイッチの性能は、基本的にbps(bit per second)という単位で表現されます。「1秒間あたりのビット」という意味で、1秒間に処理できるデータ量を表します。bpsの数値が大きいほど、大容量データを早く転送できるため性能が高いと言えます。ただし数値が大きくなるほど価格も高くなるので、どのくらいの性能のものが必要なのかを見極めてから選ぶと良いでしょう。

信頼できる商品なのか

セキュリティ面や環境耐性などの条件を満たした上で、信頼できるメーカーの製品を選ぶこともやはり大切です。国内だけでも産業用イーサネットスイッチを製造・販売しているメーカーは多数ありますが、設立年や国内でのシェア、導入後の支援やサポートがあるかなど、様々な観点から検討した上で信頼できる商品を選ぶようにしましょう。

産業用イーサネットスイッチおすすめ2選!

続いて、産業用イーサネットスイッチの中でも特におすすめできるものを2つご紹介します。

XS-S1930J-8GT2SFP-P

RuijieNetworks社製のコンパクトなイーサネットスイッチです。寸法は280(W)×180(D)×44(H)mmとコンパクトなサイズ感なので、マンションやホテルなどの狭いスペースでの使用に適しています。また、ファンレス設計のため動作時の音も静かです。ポートは全部で8個あるので、小規模なネットワークの構築であれば十分でしょう。RuijieNetworksはネットワークインフラ製品の開発・設計・販売を行う中国の企業で、日本法人のRuijieNetworksJapanは2019年に設立されました。世界50カ国以上で製品やソリューションを提供しており、イーサネットスイッチをはじめとするネットワークインフラ製品の分野においては信頼できる企業と言えます。

RG-S6120-20XS4VS2QXS

こちらもRuijieNetworks社製ですが、最大32個のポートを備えた大型のイーサネットスイッチです。さきほど紹介したXS-S1930J-8GT2SFP-Pに比べて高性能でセキュリティ面もしっかりしているため、企業や学校などでの使用に適しています。複数台を接続することでネットワークの拡張も簡単にできるため、大規模なシステムを作りたいときにも最適です。また、リアルタイムのモニタリングを導入してCPUを高負荷やネットワーク攻撃から守る機能もあるため、機器の安全性やネットワークセキュリティの面も安心です。

まとめ

イーサネットスイッチ

今回は、産業用イーサネットの概要や種類、選び方やおすすめの製品について詳しく解説しました。産業用イーサネットスイッチは様々な製品が販売されていますが、まずはどんな用途で使うのか、という目的をはっきりさせることが大切です。小規模なマンションやホテルなどで使うのか、大規模なネットワークを作りたいのか…目的によって、選び方や重視するポイントも変わります。また、今回はおすすめのイーサネットスイッチとして小規模向けのものと、大型のもの2種類を紹介しました。自身の目的に合ったものをチェックしてみてください。